
DRX®の誕生ストーリー
~医師の声から生まれた病院・クリニック専売化粧品~
開発のきっかけは医師の声から
ロート製薬の医家向けのスキンケアは、1997年のメディシナリースキンケア「セバメド」からスタートしました。当時、皮膚科領域の営業活動チームが、病院・クリニックへのサンプリングや学会での展示活動を中心に取り組んでいました。使用していただいた先生方の評価は良く、敏感肌でも使えるということで少しずつ浸透していきました。ある時、訪問先の先生から「シミの治療にハイドロキノンの院内製剤を使っているけれど、安定性が悪くすぐに茶褐色になって刺激も出るので、もっと良いものを作ってもらえないか。」と相談を受けたことをきっかけに、ハイドロキノンに着目しました。「確かにハイドロキノンは効果が知られているものの、刺激や安定性の問題があり、安全で安定な製剤の実現は難しい。でも医療現場で必要とされているならば、何とかしたい」とハイドロキノンの製剤の実現を目指し、医家向け化粧品の新プロジェクトが発足しました。
困難を乗り越えた挑戦の軌跡
ハイドロキノン製剤を開発するプロジェクトはスタートしたものの、刺激や安定性などの問題から製剤化は困難の連続でした。しかし製薬会社として、安定に流通できるハイドロキノン製剤ができれば、必ず患者さんに喜んでいただけると信じてあきらめませんでした。
製品開発担当者は当初、安全性向上を考え、それまで使用経験のある基剤を用いて何回も試作しました。しかし、これらではたちまち茶褐色になって一向に安定性が改善しませんでした。ちょうどその頃、同時並行でビタミンCの美容液を研究していたこともあり、安定性を悪くする要素を取り除いた基礎処方を数種類選び出しました。そしてこれらにハイドロキノンを入れて安定性の高い候補を一つ一つ絞り込んでいきました。幾度となく調製と比較を繰り返し、ついにこれまで困難とされていた常温で3年間安定なハイドロキノン配合美容液を開発することができたのです。
妥協なき安全性と有効性
へのこだわり
品質面では、とにかく「安定性だけではなく、皮膚への刺激が少なく、効果があるもの」を重視していました。安全性と有効性のバランスを追求するため、化粧品でありながら医薬品開発でも実施される臨床試験(多施設共同二重盲検試験)を実施。これこそロート製薬が作る化粧品だと考えました。試験が終了し、安全性と有効性において統計学的に有意な結果が出た時には、全社が喜びに沸きました。
病院・クリニック
専売化粧品ブランド
「DRX®」の誕生
こうしてセバメドに続き、新しい医科向けの化粧品ブランド「DRX®」が2005年に誕生しました。当時は完成した製品を販売する部門もなかったので、自ら手上げし、集まった4人のメンバーで大学病院やクリニックを回りました。先生方からは、どんな肌で、どんな症状に効果があるかなど、たくさんのアドバイスもいただきました。この営業経験から、その後の製品の改良や新たな開発の方向性の検討に繋がりました。その後、ハイドロキノン
*1配合美容液だけでなく、日焼け止めや保湿剤、ビタミンC
*2美容液、アゼライン酸
*3配合クリーム、アイクリームなどが製品群に追加されました。
これからもDRX®は医療機関の皆様を通じて患者様の悩みに寄り添い、高品質と高機能な商品の開発に取り組んでいきます。
*1ハイドロキノン:製剤の抗酸化剤
*2ビタミンC:整肌保湿成分
*3アゼライン酸:整肌保湿成分